井上名誉院長の変形性股関節症のお話

ホーム > 井上名誉院長の変形性股関節症のお話 > RAO(臼蓋回転移動術)と呼ばれる自骨手術が破綻したとき

RAO(臼蓋回転移動術)と呼ばれる自骨手術が破綻したとき

キアリ手術で救済できることがあります。

  • 救済できる条件は

    1. 年齢は50歳前半まで
    2. 足の爪が切れる
    3. 他側にひどい痛みがない
  • 最終的には単純レントゲン像、CT像をみて救済の可能性を判断します。

症例1

  • 34歳(女)RAO手術の術前

  • RAO術後3年、術前より痛みが強くなり来院

  • 大腿骨外反骨切り術併用
    のキアリ手術施行

  • 術後7年
    疼痛なく跛行も消失した

この女性はなぜRAO手術が成功しなかったか?

RAO手術が成功するためには

  1. 病期が比較的早期であること(関節裂隙が十分残っている状態)
  2. 球形である骨頭の表面形状と、臼蓋の弯曲が相似形であること
  3. 適切な臼蓋移動がなされていること

が必要であるが、この症例の場合、②の条件を満たしていなかったと思われる。

症例2







  • 43歳 女性 (RAO後24年)

    術後20年ぐらい調子は良かったが、
    最近は部屋の中を這って移動するぐら
    い痛みが強い。

  • 大腿骨外反骨切り術併用のキアリ手術施行

  • 術後6年7ヶ月 疼痛なく跛行も消失

症例3





  •  

  • 47歳女性

    RAOの術後17年
    2~3年前から股部痛が増強。
    臼蓋は必要にして十分なだけ
    移動されたようにみえるが、
    X線像は末期関節症を示す

  • 大腿骨外反骨切り術併用のキアリ手術を施行。
    術後すぐに関節裂隙開大

  • 術後5年
    疼痛は完全にとれ、跛行もない

この女性はなぜキアリ手術で救済できたか?

  • 単純X線像では臼蓋の横への張り出しは正常に見える
  • しかし、RAO手術の際、臼蓋を前方へ引き出しすぎたため、後方部分に欠損があった
  • キアリ手術は前方から後方まで骨頭表面の形状に沿ってドーム状に切骨するため、この欠損部分を被覆した結果、救済できた

pagetop